　　　　　・・サッカー・中田英寿選手について（2000/9/23）

フランスワールドカップが始まって間もなく、たまたまネットサーフィンをしていて、偶然、中田選手の公式ＨＰに辿り着いた。

そして、ワールドカップの最中に彼からＨＰに届いたメールを読んだ。

マスコミが書き立てていた傲慢だの生意気だのという彼のイメージとは全然違う、自分の言葉で率直に自分の思いを綴る彼の

メールを読んだ瞬間から、私は中田英寿のファンになってしまった。

彼は今でもそうだが、当時もメールで自分に関する「マスコミの報道は信用しないで欲しい。みんなの知りたい情報はきちんと自分からみんなに報告するから」と訴え続けている。

彼のマスコミ不信には、それなりの経緯、理由がある。

虚偽の報道で中田や家族を傷つけ、彼にマスコミ不信の原因を作ったにもかかわらず、取材に応じない彼を、ますます傲慢と決めつけるマスコミも多い。

真偽はどうでも新聞さえ、雑誌さえ売れればいいという紙媒体のマスコミの在り方と、あざとい内容、あざといキャストを使ってでも視聴率さえ上がればいいというテレビの在り方とが私の中で重なって、彼に感情移入したのかも知れない。

ともあれ、以来、私は中田の熱烈なファンになってしまった。

院内学級を描いた花王愛の劇場『空への手紙』の中に、サッカー選手になりたいという夢を持つ少年を登場させた。

この時、少年の夢を野球選手にしようかサッカー選手にしようか一瞬、迷った。が、私の独断と偏見と好みでサッカー選手に決まり。

もちろん少年の目標はセリエＡで活躍する中田選手・・に設定。

インターネットを通じて中田選手から心臓の手術をする少年に励ましのメールが来るという設定にプロデューサーも乗ってくれた。

私が中田の大ファンだと知ったプロデューサーは「声だけでも本物の中田選手に出演してもらいましょう」と、日本で中田選手が

所属していたベルマーレ平塚まで問い合わせてくれた。

が、そのアイデアは実現しなかった。第一の原因はちょうどペルージャから他のチームへの移籍が取りざたされていた時期で、放送

される頃には中田がセリエＡにいるかどうか分からないということで。

結局、中田という名前は使わず、プロデューサーの案で中野という架空の選手の名前になってしまった。

もし、あれが実現していたら・・と思うとファンとしては残念至極だ。

今回のシドニーオリンピック・サッカー決勝リーグは中田のＰＫ失敗で勝敗が決まってしまった。「中田のせいで負けた」という声も聞こえてきそう。

ＡＳローマでの中田のポジションは未だに不安定だ。

移籍してからというもの彼の試練の時が続いているような気がする。

この試練を踏み台に、さらにレベルアップするのがプロ。

そのことは、中田自身が一番よく知っていると思う。

人間として、プロのサッカー選手としてこれから、より大きくなって欲しい。